【中国経済レポ−ト】
中国の景気回復は本物か―多摩大学教授・沈才彬氏に聞く(2)―「株、不動産、車」で活況を呈する中国経済―
2009年5月11日《世界日報》
ーー中国の株価は今年、底割れの恐れはないのか。
底は昨年十一月十四日に記録した一七〇六ポイント(上海総合株価指数)の年初来最安値だ。これを割ることは、今年はまずない。今年警戒すべきことは株価が下がることではなく、株価が上がりすぎることだ。バブルがまた形成されれば、破裂するのを避けることはできない。
−−不動産の方は。
不動産価格はまだ下落が続いている。ところが、不動産売買契約件数は増えている。昨年一月をピークに、以後、前年比で不動産価格の伸び率は鈍化し、昨年十二月からマイナスに転落した。
今年三月は前年同月比マイナス1・3%だった。ただ前月比だと0・2%のプラスに転じた。
不動産販売面積だと、今年第一四半期が8・2パーセント増(昨年同期比)、売り上げ金額は24・7%増(同)だ。調整局面が続いているが、バブル崩壊の恐れが後退している。
−−活気に満ちた中国の自動車市場が報道されているが。
自動車市場の活気はわれわれの想像以上だ。先日の上海国際モーターショーでは、出展メーカーは史上最多の千五百社に上った。
今年三月、中国の新車販売台数は百十一万台と史上最高を記録した。前年同月に比べれば5%増だ。三カ月連続で、米国を抜き世界最大の市場になった。この市場を狙って、熾烈な争奪戦が始まった。現地の一部の日系自動車工場は現在、フル稼働だ。